日本人が残業する理由は、世界的に見るとチョットおかしなことになっています。
残業する理由でもっとも多いのは「生活費を稼ぐため」と、あるアンケートで回答が寄せられました。
これは給料が下がり続けている現代社会をまさに反映していますよね。
でもこれって、本来の残業の意図からかけ離れてしまっている。
それを容認する会社もおかしいし、主張する労働者もおかしい。
そもそも会社側が把握しきれていないことにも、問題があると思います。
逆に残業時間が労働基準法で定められている限度を超えている人もいるようです。
いずれにしても、残業に対する日本人の考え方がどこかおかしいことが浮き彫りになったアンケートでした。(現状を考えれば、当然ですけどね)
では本来の残業する理由として考えられるのは何か。
それは「仕事の効率」と「仕事量」です。
とくに仕事の効率について考えてみたいと思います。
目次
【残業する理由】仕事の効率が悪いのは誰のせい?
仕事の効率が悪いといっても、それが本人のせいではない場合も考えられます。
それってどんな時だと思いますか?
スケジュール管理ができない
まずは「自分のせい」というパターンから。
仕事の効率が悪い人は、朝からのんびり仕事をはじめる人が多いのかもしれません。
それを否定するつもりはありませんよ。
ワタシも朝は、ペースが乗るまでイマイチですから。
それはそれで良しとして、午後はスピードアップするのが普通の人の考え方でしょう。
でも仕事の効率が悪い人は、朝のペースを変えないのです。
それでは定時までに仕事が終わるはずがありませんね。
残念ながら、能力が低いと判断せざるを得ません。
同僚とのコミュニケーション重視になり仕事が進まない
職場では一人で仕事をしているわけではないでしょう。
まわりとのコミュニケーションをとりながら仕事を進めているはずです。
業務では直接的に関わらないとしても、同じ職場にいる同僚として人間関係を大切にしたいと考える人も多いはず。
というより、ほとんどの人がそうでしょう。
だけど、たとえば私語が多すぎて自分の仕事に集中できないという環境の人もいるかもしれません。
まさにワタシがそうなのですが、夫に話しかけられるたびに、仕事が中断されます。
中断するだけなら、すぐに再開できるから良いんです。
でもワタシの場合、頭に浮かんだ言葉が、話しかけられることによって消えてしまうこともある。
そんな時は、ため息をつきたくなる時もありますね。
でもそれは仕方のないこと。
家で仕事をしていても、会社で仕事をしていても、誰かにふいに話しかけられる場面は訪れるでしょう。
ただし、その頻度が多すぎると仕事が全然進まないですよね。
そうなると誰のせいで残業になったのか、明確に答えを出すこともできません。
コミュニケーションは大切ですが、メリハリをつけて関わるしかないのでしょうか。
仕事を追加されるのを回避する為あえて効率を悪くする
仕事の効率をアップして、頑張って仕事を終わらせたけど、気がつくと毎回追加の仕事を押しつけられる。
そんなことを感じている人もいるかもしれません。
それが繰り返されると、「早く仕事を終わらせた方が損をしている」と感じるのは当然です。
そしていつしか、わざと仕事の効率を悪くする人も出てくるでしょう。
この場合は、紛れもなく仕事を押しつけてくる上司や同僚が悪いと言えます。
でも断る勇気があれば、解決するんですけどね。
なかなかそうも言えないのが現実です。
つらいですね。
ストレスフルな生活を改善する方法はあるけれど…
毎日残業続きでストレスはたまるし、体調も思わしくない。
そんな生活を改善するための方法があるとすれば、こんな感じでしょうか。
実力主義の会社へ転職して給料アップ?
無能な人ほど残業してお金をもらっているシステムは、やっぱりどう考えてもおかしいと思うんですよね。
そこから抜け出すためには、有能な人が正当に評価される「実力主義」の会社へ転職した方が良いのでは?と思うわけです。
でも、ここは日本。
残念ながら実力主義で給料アップしてくれる会社は、まだまだ少ないのが現状ですよね。
しかも部下の有能さを正当に判断してくれる「デキる上司」が少ないのも事実です。
もちろん使えない部下もいるでしょうけど、だからこそ「みんな同じ給料で平等に」って、それってそもそも不平等ではないでしょうか?
でも実力主義に飛び込む勇気がない人も多いのでは?
本当に能力のある人で、なおかつ行動力のある人は、とっくに自分で事業を起こしていることでしょう。
そこまではパワフルじゃないけど、何かを変えたいと思っている人は、転職をしているかもしれません。
でも多くの人は、「給料以上の仕事をしたくない」と考えているのではないでしょうか。
コスパを考えれば、当然の話です。
だから敢えて仕事もないのに残業代を稼ごうとする、ふとどき者も出没するのです。
逆に残業代ももらえないサービス残業をさせられると、仕事へのモチベーションは次第に下がっていきます。
そして仕事の効率も会社の業績も右肩下がりになり、負のスパイラルが生まれてしまう。
決められた仕事を決められた時間内でこなしていれば、あとは定時で帰れば良いんですけどね。
それから自分の自由時間を楽しむのが、本来は普通の勤務形態のはず。
でも現状に不満を感じながらも、転職する勇気が持てない人は、プライベートを犠牲にしてまで仕事に生きようとするメリットを感じられないのでしょう。
それが実力主義の会社に飛び込む勇気がないということにつながります。
フリーランスは考えようによっては自由だけど…
現状のまま会社に勤め続けるのはしんどい。でも能力を活かして転職するほどの勇気もない。そんな人はどうすれば良いのでしょうか。
そこで視野に入ってくるのが「フリーランス」という選択肢なのかもしれません。
どんな業種のフリーランスであれ、基本的には時間の使い方も自由にできて、どんな仕事をするのかは自分次第です。
そうはいっても、やっぱり自由ってむずかしい。
まだ何も成果を上げていなければ、毎日どんなに頑張っても収入はゼロです。
その点、会社に行けば毎日お金がもらえます。(支給は給料日だけどね)
フリーランスは残業とか、休日とか、もう何もかも関係なくなるんです。
自分で「今日はここまで」と決めれば、お昼でも仕事を終わりにすることができる。
「今日は徹夜するぞ」と思えば、体がもつ限り仕事し続けることもできる。
つまり何が言いたいかというと、仕事とプライベートを区別することができなくなるんです。
それに「ここまでやれば今月は大丈夫」という限度がないんですね。
先月はこれで生活できたけど、今月も同じことをして稼げるとは限らない。
そもそも何をすれば稼げるのか、その根本的な部分でさえ手探り状態なのです。
すべて正解だし、すべて間違っている。
信じられるのは、もう自分しかいないんです。
そして一生、安定という言葉とは無縁な生活になることでしょう。
それでも好きなことだからと続けるのか、安定を求めて再就職するのか。
限界も自分で決断しなければいけないのです。
果たしてそれが本当に自由なのか。
毎日、何かに縛られているような気持ちもあります。
好きなことだから楽しいと思えた仕事でも、そのうちしんどくなっていく。
それがフリーランスの宿命だと思います。
残業は「善」なのか「悪」なのか?
残業する理由は、その人によってちがいます。会社に言われて残業しているのか、家に帰りたくないから残業しているのか。無理な仕事量を押しつけられて残業しているのか、時間内に終わらせる能力がなくて残業しているのか。残業は「善」なのか「悪」なのか考えたところで、結論はそれぞれの環境によってちがうということですね。
だから自分の人生を考えたとき、いちばん後悔しない選択肢を選びたいと思います。今はどんなに辛くても、それがいつか花開くこともあるかもしれません。