新入社員で初めての飲み会がある場合、どのように振る舞えば良いか悩みますよね。
会社の飲み会は仕事の延長線上にある大切なコミュニケーションの場です。
そんな大事な飲み会で、マナーを知らずに恥をかいたり、上司や先輩に悪い印象を与えてしまったりするのは避けたいところ。
そこで今回は、会社の飲み会で失敗しないための基本マナーをはじめ、上司ウケの良い振る舞い方や気配りのコツまで詳しく解説します。
しっかりとポイントを押さえて、会社の飲み会をスマートに乗り切りましょう!
目次
会社の飲み会に参加するメリット
「飲みニケーション」とも呼ばれる会社の飲み会。最近ではその必要性について賛否が分かれるようになりました。
貴重なプライベートの時間を削ってまで無理に参加する必要はありませんが、社会人として働くうえで、会社の飲み会を完全に避けるのは難しいのが現実です。
まずは、なぜ会社の飲み会に参加することが求められるのか、そのメリットについて確認しておきましょう。
同僚や上司との親睦を深められる
会社の飲み会に参加する最大のメリットは、上司や同僚との距離が縮まり、人間関係を深めやすくなることです。
仕事中はどうしても一定の距離感を保っているため、お互いの本音や人柄が見えにくくなっています。その結果、心の壁ができてしまい、スムーズなコミュニケーションが取りにくくなることも少なくありません。
しかし、飲み会の場ではリラックスした雰囲気の中で会話ができるため、普段は話せないことを共有できたり、意外な一面を知れたりする貴重な機会になります。
会社の飲み会に参加することで、職場における関係性が良くなり、チームワークや仕事の効率アップにもつながるでしょう。
仕事ができる人から話を聞ける
新入社員にとって、職場には「いつか自分もあんなふうになりたい」と思えるような、仕事ができる先輩や上司がいることが多いものです。
会社の飲み会は、そんな憧れの先輩とじっくり話すことができる貴重な機会。普段の業務中には聞けないような経験談や、仕事への向き合い方、キャリアの考え方などを知ることができます。
こうしたリアルな話を聞けることで、将来の自分をイメージしやすくなり、日々の仕事へのモチベーションアップにもつながるでしょう。
仕事のチャンスが増える
会社の飲み会では、自分の部署だけでなく、普段あまり関わらない他部署の人と接点を持つことができるのも大きな魅力です。
リラックスした雰囲気の中でざっくばらんに会話をすることで、あなたの人柄や適性に気づいた他部署の上司から声がかかる可能性もあります。
実際に、飲み会をきっかけにプロジェクトメンバーへ抜擢されたり、新しい仕事のチャンスをつかんだりするケースも少なくありません。
このように、会社の飲み会に参加することで、人脈が広がるだけでなく、キャリアアップにつながるチャンスが生まれることもあるのです。
会社の飲み会で気をつけたいマナーとは?
会社の飲み会では気をつけておきたいマナーがあります。気を抜き過ぎず、リラックスして過ごすためにも、きちんと確認しておきましょう。
新人は下座に座る
会社の飲み会では、新入社員が下座(しもざ)に座るのが基本的なマナーです。
下座とは、入口に最も近い席のことで、会議室や飲食店など、あらゆる場面でビジネスマナーとして重要視されています。ちなみに、タクシーの場合は助手席が下座にあたります。
居酒屋の座敷席でも、入口付近の下座は店員さんを呼びやすく、注文や配膳のサポートなどにも積極的に動きやすい位置です。
新入社員がこうした場面で率先して行動することで、上司や先輩がリラックスして飲み会を楽しめる空気をつくることができます。
結果的に、飲み会の雰囲気も和やかになり、良好な人間関係の構築や職場での印象アップにもつながるでしょう。
無礼講とは「いつもより少しだけフレンドリー」のこと
会社の飲み会では、「今日は無礼講だからね!」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。
無礼講とは、本来「身分や上下関係を気にせず楽しむ宴席」という意味を持つ言葉です。
しかし、この言葉をそのまま真に受けて、羽目を外しすぎるのはNG。たとえ無礼講と言われても、上司や先輩は部下の言動をしっかり見ているものです。
会社の飲み会での「無礼講」は、あくまでもいつもより少しだけ打ち解けて話してもOKという程度の意味でとらえておくのが無難。
基本的なマナーや言葉遣いは忘れず、節度を持った立ち振る舞いを意識することが大切です。
お酒が飲めない人はノンアルコールでも大丈夫
会社の飲み会では、上司からお酌をされる場面も多く、「断りにくい空気」を感じることがあるかもしれません。
しかし、お酒が体質的に合わない人や健康上の理由がある場合は、無理に飲む必要はまったくありません。
なかにはお酒を断られると気分を害する上司もいますが、きちんと理由を伝えれば理解してもらえるケースがほとんどです。無理に合わせるよりも、自分の体を第一に考えましょう。
また、乾杯の際からノンアルコールを選ぶのも問題ありません。ただし、場の雰囲気によってはノンアルであることを目立たせない方がスムーズな場合もあります。
そのようなときは、幹事や信頼できる同僚にあらかじめ相談しておくと、自然にフォローしてくれるかもしれませんね。
乾杯時は上司のグラスより低くする
会社の飲み会で乾杯するとき、グラス同士を軽くぶつけて「カチン」と音を立てるのが一般的ですが、この動作にもマナーがあります。
とくに上司など目上の人と乾杯するときは、自分のグラスを少し低めの位置に構えるのが基本のマナーです。
上司のグラスよりも高い位置で乾杯してしまうと、礼儀を知らない人という印象を与えてしまう可能性もあるので注意しましょう。
とはいえ、意識しすぎて不自然な動きになってしまっては逆効果。あくまでもさりげなく、自分のグラスを少し下げるといった自然な所作を心がけてください。
お酌をするとき、受けるときは両手で持つ
会社の飲み会では、基本的なマナーと丁寧な行動を心がけていれば、大きな失敗をすることはありません。
上司にお酒を注ぐ際は、ボトルやピッチャーを必ず両手で持つのが基本。逆に、上司からお酌を受けるときは、自分のグラスを両手で持って受けるのが礼儀です。
お酌をすることは必須ではありませんが、席を立ってわざわざお酌しに来る行動を好意的に受け取る上司は多いものです。
とくに新入社員のうちは、積極的にお酌をしておくと、職場での印象が良くなり、人間関係もスムーズに築きやすくなります。無理のない範囲で、自然な気配りを意識した行動を心がけましょう。
会社の飲み会を楽しむコツ
会社の飲み会は一定のマナーを守ることが重要ですが、本来は楽しい場のはずです。会社の飲み会を最大限に楽しむためには、どのようなポイントを押さえておけば良いのか見ていきましょう。
参加するメリットを自分なりに探す
これまでご紹介したように、会社の飲み会にはさまざまなメリットがあります。しかし、「仕事のため」「上司との交流」といった一般的なメリットにピンとこない人もいるでしょう。
そんなときは、自分なりの飲み会の楽しみ方やメリットを見つけてみるのがおすすめです。
たとえば、お酒が入ると場の雰囲気がやわらぎ、普段よりも本音の会話がしやすくなるという特徴があります。社内のちょっとした裏話や、意外なゴシップが飛び交うこともあるので、情報収集の場として捉えるのもアリです。
また、飲み会は人間観察にもぴったり。普段は接点のない他部署の人の素顔を垣間見たり、上司や先輩の意外な一面を知れたりすることも多く、見ているだけでも楽しめることがあります。
このように、自分なりの視点でメリットを見つければ、会社の飲み会も前向きな気持ちで参加できるようになりますよ。
おいしいお酒と料理を楽しむ
会社の飲み会は、費用を会社や上司が負担してくれることが多く、参加するだけでちょっと得した気分を味わえるのも魅力のひとつです。
また、普段友人とはなかなか行かないような、格式のあるお店や雰囲気の良い飲食店が選ばれることも多く、ちょっと特別な体験ができることもあります。
そんな飲み会では、おいしい料理やお酒を味わうだけでも十分に楽しめるでしょう。
堅苦しく考えず、「ラッキーな食事の場」として前向きに参加するのも、会社の飲み会を楽しむコツのひとつです。
毎回参加する必要はない!会社の飲み会の断り方
会社の飲み会がめんどうだと感じている人も少なくないでしょう。今後の仕事のためには参加することも必要ですが、毎回参加する必要はありません。
ここでは、会社の飲み会の断り方をご紹介します。
友人との先約が入っていることを伝える
急に会社の飲み会に誘われたとき、すでに友人との予定がある場合は、素直に「先約がある」と伝えて断るのもひとつの方法です。これは無理なく断れるうえに、角の立ちにくい断り方としておすすめです。
先約を大切にする姿勢は、「約束を守る信頼できる人」という印象を与えることにもつながります。相手によっては、誠実な人だと好感を持たれ、かえって一目置かれることもあるでしょう。
また、正直に断ることで、裏表のない人柄が伝わり、今後の仕事でも円滑なコミュニケーションにつながる可能性があります。
無理に付き合うよりも、自分のスタンスを大切にしつつ、丁寧に伝えることが信頼関係の第一歩です。
両親・家族のことを理由にする
会社の飲み会を断るとき、家族の予定や事情を理由にするのは、角が立たないスマートな断り方のひとつです。
たとえば、「実家から両親が上京している」「子どもが体調を崩してしまった」など、家族に関わる事情であれば、相手も無理に誘うことはできません。
このような断り方は、「家庭を大切にする信頼できる人」という印象を与えやすく、悪い印象を持たれにくいのもメリットです。
ただし、本当の事情であることが前提です。もし家族の予定を口実にしておきながら、後日うっかり矛盾する発言をしてしまうと、「あれ?話が違うな」と不信感を持たれる可能性があります。
そのため、家族を理由に飲み会を断る場合は、無理のない範囲で正直に伝えることが大切です。
体調が良くないと伝える
会社の飲み会がある日に本当に体調が悪い場合は、無理に参加する必要はありません。その場合、体調が悪いと伝えれば相手も無理に誘うことはなく、断りやすくなります。
単に気分的に参加したくない場合も同様に、体調不良を理由に断ることができますが、その際には注意が必要です。
もし、飲み会の直前や翌日になって元気に出社してしまうと、不信感を抱かれる可能性があります。そのため、翌日は矛盾のないように自然に振る舞うようにしましょう。
演技をする必要はありませんが、体調不良を伝えた場合は、少し控えめな行動をしてごまかす工夫も必要です。
断り切れず参加した場合の飲み会での過ごし方
会社の飲み会を断り切れず、やむを得ず参加した場合は、どのように過ごせば乗り切れるのでしょうか?
聞き役になれば乗り切れる
会社の飲み会をうまく乗り切るためには、聞き役に徹するのが有効です。飲み会を仕事の一環と割り切り、積極的に話すことなく、相手の話に耳を傾けることで、会話をスムーズに進めることができます。
たとえば、上司が冗談を言った時は笑顔で笑ってあげたり、相手の話に適切な相づちを打ったりすれば自然に会話が流れ、無理なく過ごせます。
また、聞き役になると、自分から話題を提供する必要がないため、無駄に疲れずに飲み会を楽しむことができます。
さらに、普段は聞けないような「意外な話」を聞くことができるので、むしろメリットが多いともいえるでしょう。
ドリンクやおつまみの注文を引き受ける
どうしても参加したくなかった飲み会に出席してしまったときは、ドリンクや料理の注文役に徹することで、気まずさを軽減できます。
頻繁に席を立って動くことで、同じ席で気を張り続ける必要がなくなり、自然と場に溶け込めるのがポイントです。
さらに、率先して動く姿勢は上司からも好印象を持たれやすく、「気が利く新入社員」として覚えてもらえるチャンスにもなります。まさに、自分を消しつつ評価を上げる一石二鳥の方法といえるでしょう。
また、席を離れることが多いと、自然な流れで途中退出しやすいというメリットもあります。無断で帰るのは避けるべきですが、あらかじめ幹事に「ちょっと体調が悪くなってきたかも」などと伝えておけば、スムーズにフェードアウトすることも可能です。
これまで動いてサポートしてきた分、幹事も快く送り出してくれるはず。飲み会が苦手な人は、ぜひ活用してみてください。
飲み会翌日は感謝のひと言が大切!上司へのお礼マナー
会社の飲み会があった翌日は、朝一番で上司や費用を負担してくれた人にお礼を伝えるのが社会人としてのマナーです。
とくに、個人的に誘われた飲み会の場合は「昨日はありがとうございました」と感謝の気持ちをしっかり伝え、「またご一緒できる機会があれば嬉しいです」など、一言添えると印象アップにつながります。
また、翌日が休日だった場合は、週明けの出社時にお礼を伝えるのがベスト。上司のプライベートな時間に連絡を入れるのは避けましょう。ただし、個人的なお誘いだった場合や、特別なおもてなしを受けた場合は、休日であってもメールやLINE、電話でお礼を伝えると丁寧です。
このように、飲み会後のお礼はケースに応じて柔軟に対応することが大切。小さな気配りが、上司や先輩との信頼関係を深め、円滑な職場環境につながります。
会社の飲み会はマナーが大事!好印象で人間関係も良好に
会社の飲み会では、社会人として最低限のマナーが問われます。「知らなかったから」という理由で免れる場合もありますが、知らなかったことが原因で会社での信用を落としてしまうこともあります。
新入社員として社会人デビューを果たしたからには、社会になじむ努力も必要です。
バリバリと仕事ができるかっこいい社会人になるためにも、会社の飲み会マナーをマスターし、人間関係を良好にキープしていきましょう。